Weekly Matsuoty 2002/04/25
魂のマーケティング
 
 「魂のマーケティング」というのは、我ながらいささか意味不明過ぎるテーマかなあ、と感じてはいるのだが、語らずにいられないのでご了承いただきたい。

 最先端の経営・マーケティング分野の話題のひとつは、

“Customer Enrichment”(顧客充実)

だそうだ。

もはや、

“Customer Satisfaction”(顧客満足)

の追求では駄目だという問題意識から出てきた言葉だ。

 先日、人気のメルマガ「がんばれ!社長」でも、特に不満もなく現状のサービスに満足していたにも関わらず、あっさりとオフィスコーヒーサービスの会社を変えてしまった、というエピソードが紹介されていた。

 そうなのだ。製品やサービスの機能・性能・品質、価格といった、ある程度目に見える、感じることのできるレベルでは、もはやどの製品も高い水準に到達しているため、満足度の指標では、まるで競合他社との差をつけようがないのが現実なのである。

 だから、もっと深いレベルでの顧客との交流というか、コミュニケーションが求められている。

 抽象的な言い方で恐縮だが、それは、自分のライフスタイルや価値観との適合性や、製品・サービスのもつブランドアイデンティティ、あるいはそれらを提供する企業の理念・ビジョンといったものに対する「共感」といった段階に止まらず、さらに深いところまで入って行く。それは、人類が共通して持つ意識(ユングの言う「集合意識」のようなもの、言い換えると「魂」だ)に訴えることのできる何か、である。

 うまく言葉にできなくてもどかしいが、そんな何かを持つ製品やサービスは、自分自身や毎日の生活を内面から豊かにしてくれるものだろう。“Customer Enrichment”にはそんな意味が込められていると私は解釈している。

 実は、さらに

“Customer Enrichment”

を超えるキーワードも提示されている。

それは、

“Customer Empowerment”(顧客成長)

である。これも現時点ではかなり観念的なキーワードに思えるかもしれないが、顧客自身が製品開発に深く関与していく、あるいは製品・サービスを構成する要素してふるまう、といったマーケティング・アプローチが台頭しつつある中では、じっくり考えてみる価値のある言葉ではないだろうか?

 そして、「魂のマーケティング」とは、

“Customer Enrichment”、
“Costomer Empowerment”

を実現する方法論である。まだ体系化はこれからだが・・・(^^;;

 いつもながらの大言壮語をお許しいただきたい。

参考として、コミュニケーションの階層についてコーチング理論からご紹介する。

  情報   → 5W1Hで表される事実
  意識   → 寒いとか甘いとか、5感で認識されること
  思い・感情→ 思考・喜怒哀楽
  価値・観念→ 大切にしている事物、こだわっている事物
  魂    → 心の本質にあり、意識下でつながって共有されていると考えられているもの。「日本人の魂」などと使われる

(出典)今日から使える一日一回コーチング
http://www.mag2.com/ (ID:0000079497)
 
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