Weekly Matsuoty 2002/01/15
創造力
 
 知識社会において高い価値を持つのは、斬新なアイディアやコンセプトである。それらを基にして、革新的な商品やサービスが生まれる。他社のアイディア・コンセプトの後追いでは高い価値を生み出すことはできない。

 斬新なアイディアやコンセプトを生み出す力とは、すなわち「創造力」であり、これからのビジネスパーソンにとって最も重要なスキルであろう。

 では、どうやって「創造力」を身につけたらいいのか?

 様々な発想法を学んだり、ブレスト(ブレーンストーミング)をやってアイディアを出しあう場を設けることが創造力を高める、と考えている方がいるかも知れないが、それだけでは不十分である。

 創造力とは、既知のものを再編成する力のことだと言う。逆に言うと、全く何もないところ、すなわち「無」の状態からは何も創造できないということだ。

 何もないところからは何も生み出せないとすれば、ブレストや発想法の前にやるべきは、多種多様の情報の蓄積である。

 より具体的に言うと、さまざまなジャンルの読書や異業種の人々との意見交換等を通じて、できるだけ多くの多面的な情報収集を行い、かつそれらの情報を脳内に定着(記憶)させることが、「創造力」を高めるために必要である。

 種々雑多な情報が混ぜ合わされ、融合する中で、新しいアイディアやコンセプトが生まれる。新しいというのは、思いもしなかった組み合わせの妙のことだ。

 なお、情報を定着(記憶)させることが重要なのは、そうしないと、脳内で自由に混ぜ合わせることができないからである。

 情報収集を厭う人は、創造力を高めることはできない。また、「記憶力」をつけることが創造力向上の鍵である。
 
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