Weekly Matsuoty 2004/06/21
知るということのレベル
 
「知価社会」というのは新しいコンセプトで も何でもないが、それが現実のものとなった のが現代だろう。

持っている知識の量、質、あるいは知識の入 手スピードの良し悪しによって、ビジネスの 勝負が決まってしまう。

行動することの重要性は依然として変わらな いのだが、闇雲に動くのではなく、しっかり とした知識に基づいて行動しないと、行動力 に加えて知識を駆使するライバルに先を越さ れてしまうのである。

ただし、知識もまた、闇雲に蓄積しようとす るのでは無駄が多い。というか時間がもった いない。我々の頭はコンピュータではない。 百科事典のCDを購入してきてインストールす れば、知識がたちまち増えるというものでは ない。知識は、たっぷりと時間をかけ、本、 セミナー、人とのガチンコ交流などを通じて 蓄積していくしかない。

そして、知識を獲得するに当たっては、まず 「知るということのレベル」を知っておいた 方がいいだろう。それは、6段階*ある。

1 知ることとは、自分の中をくぐった(一 時的に手持ちの)情報(フロー)が増えるこ と

2 知ることとは、自分の知識ベース(スト ック)に変化が起こること

3 知ることとは、その気になれば、そのこ とをほかのひとに教えることができること

4 知ることとは、知る前と知った後で、世 界の見え方が変わってくること

5 知って本当に理解することとは、自分が 変わること

6 知って身につくということは、その知識 を使って、怖がらずに自分や自分が属するシ ステムを変えてみようとすること

この6段階を進んでいくということは、いわ ば知的プロフェッショナルとなる道筋であり、 その最終ゴールは、変革を起こせるだけのパ ワーを獲得することである。

すべての分野でこのレベルに達することは難 しい。、あなたが最も好きな分野、我を忘れ て打ち込める分野を探し出し、そこにたっぷ りと時間を金を注ぎ込むことだ。

*「組織行動の考え方」より  金井壽宏、高橋潔著、東洋経済新報社
 
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