Weekly Matsuoty 2002/03/13
コップ理論
 
 誰かに会う。お互いに話したいことが山ほどある。まるでコップからあふれてしまいそうなほど溜まっている。でもこのままではお互い相手のコップに自分の話したいことを注ぎ込む余地はない。

 でもこんな時、聞き上手の人は、別の小さなコップを脇に用意する。そして自分のコップの中味を半分くらいその脇のコップに移す。自分のコップは半分くらい空きができた。これで相手の話を受け入れることができる。

 そこに相手の話が注ぎ込まれる。そうすると相手のコップにも空きができる。今度は自分の番だ。自分の話を相手のコップに注ぎ込む。注しつ注れつ、楽しい会話が進んでいく。

 こんな会話のテクニック(考え方)を「コップ理論」と言う。カウンセリングやセールステクニックでも活用されるものらしい。大切なのは、自分側のガードを解き、自分の考えを押し付けたいという誘惑を抑えて、相手を受け入れる体制を整えることだ。

 「コップ理論」を身につければ、相手のオートクラインを引き出すこともできる。自分で現在の状況を整理し、本当の問題・課題を発見し、具体的な行動へのコミットメントをこちらからの命令でも提案でもなく、本人自らが行う手助けができる。
 
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